市場原理を無視した韓国のマスク強制買い上げ制度
マスク配給に並ぶ韓国社会
行列に並べなかった韓国人が並ぶようになったのはつい最近のような
そういえば朝鮮戦争の最中には配給制度なんて無かったけどね
この公的マスクは国内マスクメーカーで生産された量の80%を強制的に買い上げて、決められた店だけから販売するシステムだ。だから誰もが自由にマスクを仕入れてそれを売ることが出来なくなった。もちろん配給とは言えど無料ではなく全国で同じ販売価格に決められている、政府が財の流通と分配に直接関与した、実質的な国家統制と言うことができる。
▲まだ自由に買えたころは長い行列でも2度並び防止のため手にスタンプをしていた。
▲配給制度がはじまると本人確認が必要になった。
コロナ19によるマスク不足の問題について、政府は、最初から間違った方法で対応している。販売店の売り惜しみで販売価格が暴騰するとこれらの暴利行為を処罰するとして、市場の機能を否定的な見方に追い込んだ。
需要が急増してマスクの価格が上がれば、製造者側は、自由に生産を増やし、市場は不足になった品物の供給不足の問題を最も効率的に解決する。しかし韓国政府は、様々な介入や規制対策を発表し、市場と価格競争と機能を無力化させたのだ。
▲マスクは1週間に2枚まで買うことができる、今しているマスクは先週買ったものだ。
状況はさらに悪化してみると、最終的に韓国の政府はマスクの流通を制御しながら配給する状況に至った。いわゆる「海外輸出禁止」であり「80%量を強制買い上げ」だ。その過程でマスクメーカーは生産コストの50%程度を認めてやるという通知を受けてみると、政府の義務配信命令に反発して、生産を一時停止した企業も出てきた。すでに取引契約を締結した事業者も、当惑を招くしかない。流通秩序が政府によって崩れたものである。
「社会主義では人々がパンを食べるために並ぶが、資本主義ではパンが人々に売れるために並ぶ」という言葉がある。 笑い話のように聞こえるかもしれないが、この言葉には命令経済体制に対する市場経済の優越性がよく溶け込んでいる。 生産手段に対する所有権が認められない社会主義では、資本財に対する市場価格が形成されず、これによって企業家の経済計算が不可能になる。
このような状況の中、企業家がいくら奇抜な方法で供給をうまくやっても、それに相応するインセンティブが自分に回らないため、企業家は意欲を失う。 政府は品薄状態の必需品に対する配給制を続けるが、不足を解決することはできない。 結果的に見れば政府が市場を無力化させた代価として消費者は困窮から脱せなくなる。
所有権と自由契約が保障される自由市場では、市場機能が働き、その過程で企業家は消費者を満足させるために、質のよい安価な商品を供給する。 消費者は選択を通じて消費者に貢献した企業を選択し、貢献できなかった企業を退出させる。 しかし、"配給マスク5部制"は、豊かさを可能にする市場価格の情報機能を遮断したものであり、持続的な欠乏を引き起こさざるを得ない。
マスクを買うために長い列を作って人々は社会主義政策の弊害を体験した。 旧ソ連では何にでも並ぶのが日常だった。 そのような惨憺たる気持ちは資本主義体制に変わったことで消えた。 経済問題は市場親和的な解決策に忠実でなければならない理由を、今回の"マスク大乱"がよく示している。
薬局1店舗ごとに1日の割当量が決まっていて、午後になってから買いに行っても、もう手に入りません。仕事も学校もお休みなので誰もが早くから並んでいるようです。