小型衛星のための小型発射体の開発の着手
航宇研、小型発射体開発技術の研究に着手
エンジン2基だけを使用... 世界的に成功事例珍しく
2025年から本格システム研究開始... 2029年の試験発射の目標
韓国航空宇宙研究院(院長イムチョルホ)は、今年発足した院長直属「未来ロケットの研究チーム」により、小型ロケット先行技術開発を開始したと6日明らかにした。
小型発射体は、搭載重量サイズが500㎏以下で小型衛星を宇宙に打ち上げるための小さな発射体だ。来年打ち上げ予定の韓国型ロケット「ヌリ号」の一部の要素を活用するが、規模はこれより小さいことを構想している。ヌリ号は3段構成である一方で、小型発射体は2段で行われる。
※2018年に発射成功した試験発射体と同じ組み合わせになる
開発が難航しているヌリ号は、1.5t級衛星を地球上空600㎞〜800㎞の低軌道に投入する3段ロケットで、1段目に75トン級エンジン4基、2段は75トン級エンジン1基、3段は7トン級エンジン1基構成されるのに対し、小型発射体は、1段75トンエンジン1基、2段目は3トン級エンジン1基構成する案を準備中だという。
2段目に使用するエンジンは、小型衛星の打ち上げに合わせて3トン級メタンエンジンを検討している。これはすでに開発した7トン級エンジンを使用しないことだ。
エンジン推力を削減しながら機能を改善し、小さな衛星を効果的に軌道に投入するためだ。小型発射体は、国内羅老宇宙センターから発射することを目標に置いたのも理由だ。近くの島に発射体の落下被害を与えないようにするにためには、なるべく発射体を遠く離れて落下させる必要がある。
※羅老宇宙センターは2つ目の発射台建設が進行中
▲3t級メタンエンジンと言えば10年前の「韓国メタンロケット」で検索だな
エンジンの再点火も可能にしたい
研究者は、再点灯化が可能な2段目エンジンを高性能化することができる先行技術も開発する。エンジン再点灯化が可能になれば、複数の衛星を希望する軌道に投入することができる複数の任務が可能である。再点火技術は、深宇宙探査にも活用することができる。
研究者は、小型発射体の中でも、エンジン2基だけを使用する研究がかなり挑戦的なものと見ている。
イギジュ小型発射体担当(チーム長)は、「現在、世界で100以上の民間企業、各国の宇宙機関が小型発射体の研究に乗り出しているが、エンジン2基だけを使用する成功事例は非常に珍しい」とし「非常に挑戦的な任務に対応する「と述べた。
<イギジュ小型発射体担当(写真左)とバクジェソン未来ロケットの研究団長(右)>
挑戦に成功した場合の利益が莫大である。まず、急変する世界発射需要に対応できるようになる。現在発射される多くの衛星が小型衛星である。昨年打ち上げられた500個の衛星のうち389個が小型衛星である。小型発射体は、大規模に比べ、1回発射コストが安く、多くの発射が可能である利点もある。
バクジェソン未来ロケットの研究団長は「来る2023年までに機関固有事業を通じた先行研究を終える計画」とし「過程が順調であると、2025年からは本格的なシステムの研究が可能となり、2029年と2030年の小型発射体を発射するすることができる」と述べた。
(ソウル/みそっち)
ロケットの姿勢制御は出口をくねくね動かす方式や出口に羽根を付ける式があります。
韓国の75t級ロケットはくねくね式ですが、これを4つ同時に制御するギジュチュが足りなくて、4つ繋げて燃焼させる実験は行われていません。また2021年の発射予定もなんとなく延期される可能性が高いです。国政選挙のこの時期に事業の大風呂敷を広げておくことが重要だ判断されたということですね。