多住宅者譲渡税の強化に取引激減
譲渡税重課一ヶ月 住宅の売買半減
ソウルなど調整の対象地域のアパート取引半分以下に'がたっと'
"雰囲気の反転動力ない…取引萎縮の長期化は避けられない"
[ソウルミーナ]"今月に入って多住宅者譲渡税の強化が施行されて以降、一ヶ月が過ぎても契約1件もありませんでした。 契約はおろか売り・買いいずれの問い合わせさえありません。 私たちだけでなく、周辺の不動産仲介業者ほとんど事実上開店休業状態です。"(ソウル松坡区蚕室洞(ソンパグ・チャムシルドン)のA公認仲介士)
今月から調整対象地域内の多住宅者に対する譲渡所得税の強化が実施され、ソウルを中心に住宅市場の、'取引の崖' が深刻化している。
罵倒・買収者間の熾烈な顔色を伺う争いの中に取り引き萎縮が持続され、価格下落の動きも現れ、住宅市場が本格的な調整局面に突入するだろうとの見方も出ている。
29日、ソウル不動産情報広場によると、今月、ソウルマンションの売買取引量は、計5455件(27日、申告件数ベース)を記録した。 1日平均取引量で換算すると、202件が取引されたのだ。 1日平均448.4件(総一万3900件)が取引された3月の半分にも及ばない水準だ。 4年来最低値を記録した昨年4月1日平均取引量257.8件(総7736件)よりも少ない。
◇4月1日平均出来高202件…3月の半分にも及ばず
今月からソウルなど調整の対象地域(ソウル、京畿・釜山(プサン)の一部、世宗(セジョン)市などの2住宅以上の多住宅所有者が住宅を譲渡する場合、譲渡差益の最大60%まで税金になる。 そのうえ長期保有特別控除も排除される。
先月までソウルのマンション市場の場合、譲渡税重課を回避するための多住宅者の急売の物件が出され、1~3月取引量がすべて歴代最高を記録した。
しかし、今月から譲渡税重課が本格施行され、ムードは急反転された。 多住宅所有者らは税金負担に売り物を出せずにいる上、その他の家主も、市場が萎縮したため、売却時期を調整している。 一方、買い手らは住宅価格がさらに落ちるだろうという期待感で軒並み、見守りに転じ、市場は凍りついた。 融資規制・金利引き上げなどで需要心理が萎縮したのも理由だ。
不動産取引申告期限が契約日から60日と今月の出来高には売買が活発だった2~3月契約の件も一部含まれている。 専門家らは5月の統計から、取引の崖現象がより顕著になるものと見ている。
地域別には、これまで住宅価格の上昇が激しかった江南4区(江南・瑞草・松坡・江東区)の取引の減少幅が最も大きかった。 譲渡税の根幹となる譲渡差益が相対的に大きいだけに、今回の規制の直撃を受けたという分析が出ている。
(ソウル/みそっち)
年内には ”家計負債1600兆超え” なんて香ばしいニュースを期待していたひとにはがっかりするニュースですね。
さて、昨年中に1500兆ウォンの大台を超えた住宅ローンが今年も100兆ウォン増えると一人当たりゴニョゴニョという計算式で煽りたくなる韓国の借金事情ですが、借金をしたひとが追加で借金をしたわけではありません。 あらたに1億ウォンくらいの借金をしたひとが100万人追加されたということです。住宅ローンで家を買ってローンを組んでいる人が追加で住宅ローンを借りているわけではありませんから借金をしているひとの1世帯あたりの金額が増えたわけではないのです。
そいでも経済危機の拍子に連鎖してゴニョゴニョという説明もありがちですが、1軒あたりの借金はその住宅(部屋)が担保になっているのでその住宅の価値が無くなっても住み続けるひとにすれば新聞記事が100兆ウォン追加されても同じ境遇のひとが増えるだけってことであまり心配されないわけです。(むしろ同じ境遇のひとが増えることを歓迎している)
日済しっていうのがあってね
生活費が足りなくて借金をする...。 こちらは韓国では統計に出て来ないところなのでどのくらいあるのかよくわかっていません 「500兆以上あるでしょう」「もっとあるね1000兆行くんじゃない」ということです。こちらの上限金利は24%ぐらいのようですが、それ以上の利息で借りている借金もかなり多そうです、『日済し(ひなし)』って言うんですが、毎日5,000ウォン(500円くらい)の200回返済みたいな借金システムがあります。 これってニホンだと毎日の集金が面倒で・・・なんて言い出しそうですが『日なし』システムは韓国では一般的です。
よくありがちなのは、5,000ウォン×200回=10万円ってところですね。
こちらは簡単な証文の交換で額面10万円を借りられます、その時に先に利息分が引かれて現金で8万円くらいが渡されるわけです。すると毎日「お兄ちゃん」と呼ばれるひとが集金にやってきます。借りる方は路上屋台などの飲食店なんかをやっている人ばかりで、売り上げの中から5,000ウォンを渡します。
「お兄ちゃん」はそれ自体が収入源となっていて、夕方まで寝ていて暗くなる頃から一日10~20件の集金先からお金をあつめて歩くんですね。10,000ウォンを返済する人もいるし2口借りてるひともいたりすると毎日の小遣い稼ぎにぴったりです。(全部お小遣いで使っちゃうとマジでやばい)
お得意先の返済が終わる事はそのまま収入が減ることになるので、借金の追加の相談に応じたりすることでお兄ちゃんは貸金業のスキルを上げて行くことになります。
この『日済し』という小額融資システムのことを韓国人は「助け合いの精神云々」などと言っているのが滑稽ですよ。
これは朝鮮時代の租税徴収構造にあった「無期分割払い(無限返済)」というものが韓国人にとってなじみ深いことから現在でも受け継がれているのですね。徴収者が永遠にお金を受けられるように借金をコントロールする社会システムです。
この永遠ってところがこの稼業の美味しいところです。
銀行のハナシの戻るけど
高層アパートの分譲でお金を貸す方の銀行にしてみると、元本の返済(完済)なんてことがあっては収入がそのまま減ることになりますから、『元本据え置き今は利息だけ払い2年目(あるいは3年目)に元本一括返済』なんていう返済方法が韓国では一般的でした。
利息だけ払っていて元本は手つかずという借金システムは1億ウォンを年利4%で借りれば、毎月の返済する元利金が116万ウォンですが、元本据え置きであれば月に33万ウォン程度の利子の返済だけです。元金はいつまでも減らないという「無期分割払い(無限返済)」ですね。
このへんに馴染めないニホン式の考え方による解説では「元本を据え置いているうちに住宅価格が上がるのでそれを売って返済に充てるのだ」なんて言い出していましたが、最初から銀行も住人も元本なんか気にしてないし完済なんて思いもよらないことでしかないのです。 つまり「無期分割払い(無限返済)」で双方が WinWinっていうのが韓国型社会です。
それって建設会社の支払いとかどうなの? 心配になりますよね。韓国はニホンじゃないので建設工事は下請けがやります。そこへの支払いをしなければイイだけなんですよ。それで誰も文句を言わないでしょ。そういう社会です。もちろん最低限のお金はやりとりしますが、結局は銀行がお金を貸して建物の債権を銀行が受け取るだけですから問題はありません。建設会社の工事費用は銀行が貸すわけで、建設会社にはお金はありません。銀行は元本据え置きローン万々歳なのでそこにも現金はありません。そうやって回ってきたのでこれからもずっとそうでしょう。
「無期分割払い(無限返済)」の返済額は金利が上がると返済額が増えそうですが、返済できないほどの請求をすれば宿主と共倒れしちゃうので手加減するわけです。
高層アパートの持ち家だけどローンはいつまでも終わらないという持ち家なのがソウルの住宅事情ですね。
むかしシンちゃんが住んでいた店舗歯科医院併設のレンガ風外壁3階建て屋上ハウス付き住宅なんていうのが建てられたのが1980~90年代でしょうか、その多くが建物の老朽化で建て替えの時期です。
こちらの所有形態は大家さんがいて、伝貰(チョンセ)でお金を預けて、出て行くときに全額返却っていう”高金利時代資金運用万々歳” システムでした。※古いのは屋上に水タンクが据え付けられているのですぐにわかります(水道管がダメになる)
このチョンセは家賃ではないので ”持ち家” なんて誤解されたころもありましたが、伝貰の敷金を用意するために銀行にお金を借りて、その返済をしているひとっていうのは住宅担保ローンとは違う名目なので、韓国の統計には出て来ない不思議な社会構造があります。
それでも銀行に返済して家主から返金を受ければ現金が手元に・・・そういうことが無いのも韓国の特長でしょう。 チョンセ(敷金)は銀行への『無限返済』なのでどこかに引越しするときに次の部屋がチョンセであれば返済は続くし、高層アパートを買ってみても頭金に充当されてやはり無限返済になるわけです。
そういうのもやがて数十年しないうちに老朽化して傾いたりしますよ。
耐用年数が3~40年あるとして、「子供に財産を残さない(残せない)」と答えた韓国人が80%近いそうですから、お金を集めてっ高層アパートを買ってもそこを出て行くことになることまで考えているとしたらスゴイですよね。