KTの衛星安値売却は完全敗訴
ムクゲ3号衛星の所有権取り戻し完全失敗
韓国政府は買い戻しを要求 訴えに負けて裁判費用まで負担することに
安値売却だけじゃない、周波数帯割り当てと衛星軌道の権利も喪失
[NEWSミーナ]韓国の通信会社KTが香港の衛星専門会社がムクゲ3号の所有権を争った国際訴訟がKT側の完全敗訴で終わった。KTは安値で売却したムクゲ3号を取り戻しできなくなり、さらにABS側に訴訟費用の100万ドル以上の損害賠償をしなければならない境遇に置かれた。
12日、KTの第38期監査報告書で明らかにされた内容によると、KTの衛星専門子会社KT SATは、米国連邦最高裁にムクゲ3号衛星の所有権と損害賠償上告許可を申請したが、棄却されたという。今回の決定でKTは2010年に2085万ドル(当時為替レート205億ウォン)に売却した衛星の所有権を完全に失うことになった。
KTは、2010年に約3000億ウォンの税金で生産されたムクゲ3号衛星を政府や製造元であるロッキードマーチン社に全く通知せずに売却した。衛星は戦略物資として海外に売却する前に政府の承認を受けなければならない。もちろん含まれている技術の漏洩を防ぐ意味でも製造元のロッキードマーチン社にも知らせる義務がある。
この過程で、KTが衛星代金として受け取ったお金はわずか5億ウォンだ。この事実は、2013年の国政監査を通じて知らされた。
しかし、当時KTは、基本的にムクゲ3号衛星は売却をする時に設計寿命が尽くしたと反論した。
これに対して未来創造科学部(現:科学技術情報通信部)はKT SATに売却無効を通知し、衛星を原状回復するよう是正命令を下した。国際的商取引上では代金の支払いも受けたにもかかわらずその契約を無かったことにしろという韓国側の判断だ。
これにKTはムクゲ3号を取り戻すために、国際訴訟を行ったが失敗した。
ここで香港の通信会社ABSはKTを相手に2013年国際商業会議所仲裁裁判所(ICC)に衛星売買関連所有権の確認と売買契約違反に対する訴訟も提起した。ICCはムクゲ3号の所有権がABSにある判決を下しKTに元金74万8564ドル、利子28万7673ドルをABSに支給するよう命令した。
この香港の通信会社ABSの経営者は在米の韓国人であり李明博元大統領の甥とも繋がりがある。そのため韓国人の多くは国有財産の海外移転で資産を横取りしたものだと判断している。KT側の売買担当責任者も香港の通信会社ABSに転職したという。
(ソウル/みそっち)
国際的な取り決めや決定があっても韓国だけは別の理屈で棚の上にあると考えていますから今回の完全敗訴は「今回の裁定は一時的な司法判断に過ぎず、必ずこちら側の手が挙がる日が来る」なんてことを言い出しています。
静止衛星の軌道と、使用する周波数帯も一緒に売却したことも大きな痛手です、これは永遠に持てる権利であるため新たに衛星を打ち上げる場合にその場所の使用料さえも支払わなければなりません。
このように国際司法判断で韓国側が敗訴する理由は韓国が先進国の仲間入りしていないためという分析まで出てくると。静止衛星軌道商売で利益を上げているトンガ王国の立場もより一層微妙なものとなるでしょう。(ナンダソリャ)