鬱陵郡では大型客船就航に100億ウォンの補助金
韓国の最東端鬱陵島事情⓮
赤字の理由に難色。年間に100日も欠航する鬱陵島航路 冬になれば孤立無援
[ワールドミーナ]11日鬱陵郡によると、郡は9月の郡議会の議決を経て、大客船が就航すると運航補助金として10年間に最大100億ウォンを支援するという破格の内容の大客船支援条例を用意した。
郡が100億ウォンと巨額を提示してまで大客船の誘致に乗り出したのは欠航が多い東海岸航路を安定的に確保するためだ。
しかし、条例後も、現在まで鬱陵郡の誘いに応答する旅客船社は現れていない。
サンフラワー号のほか、残りの2千t未満旅客船は風浪注意報が表示されたら、最初から運航することができない。
その上サンフラワー号(1995年進水)さえも船齢による就航期限が2020年2月までなので、すぐに消える運命に置かれている。さらに、冬になると、船舶検査を理由にして運航していない。
このような状況なのに、ほとんどのクルーズ船が今年も11月から来年2月までに休航するので鬱陵郡民の不満はますます高まっている。
すでに江陵〜鬱陵航路のシースター5号とシースター11号、墨湖〜鬱陵航路のシースター1号とシースター3号、厚浦〜鬱陵間のシーフラワー号が運航を停止した。
浦項〜鬱陵を行き来するサンフラワー号は今月1日から来年1月末までに、船舶の定期検査を理由に運航を停止した。
しかし、サンフラワー号に取り替えて投入したサンライズ号は波が少し高くても欠航するしかなく、いつも不安である。
このため、鬱陵ドドンリ住民100人余りは、先月23日、鬱陵郡庁の前で集会を開き、「毎年冬に道洞港に入ってくる大型客船がなく、住民が経済的損害を見る」と対策作りを要求した。
(ソウル/みそっち)
鬱陵島の最盛期は1975年
韓国最東端の鬱陵島といえば冷凍中国産の魚介類をふんだんに使った海鮮料理が有名ですね。まちがっても生魚の新鮮なのはありませんよ。ニホン海のイカ漁で有名な鬱陵島は1970年代の離島移住推進化計画によって入植者が急激に増えると人口が3万人近くまでになりました。
※韓国の住民登録番号制度は1962年公布されたが国民の無関心もあって登録していないひとが多かった。ニホンとの二重国籍を取得することも可能だった。
ところがその直後に大雪が降ってみたり、35日間も半島と連絡が途絶したり、1980年代までに度重なる台風被害もあって人口が急減したのです。
そいうわけで現在では細々と漁業や農業をやっているわずかな人以外はすべてサービス業に転職しました。現在の人口は1万人を割り込んでいます。
2014年のセヲル号の事故で船でやって来る観光客が減ったんですよ。そのときに旅客船の寿命も30年→25年ってことになって老朽船が根こそぎ廃船になったのです。
そのまま観光客は回復しないし離島ブームなんてものは消え去ったのです。
っとまあ韓国のフェリー事情なんですが、この手の旅客船は韓国では建造できないんですね。いえいえ、ちゃんとクルマと人を載せられる船は作れるのです。
こういうの
鬱陵島なんかだと大型船が横付けできる港がひとつもありませんから孤立するしかないんですよ。もちろん戦略的な価値もありませんから敵が攻めてくることはありませんし、大型リゾート開発計画のひとつさえも無いのです。
そいうわけで島民の40%を占める観光客商売は船が休むと商売あがったりなのですね。ひところの独島人気で一定数の観光客がやってくるわけでしたが、それを目当てに宿泊業ばかりが増えたのがセヲル号事故で大ダメージだったんですよ。その時までに規模が小さい韓国風のホテルでは食事を提供しませんから、飲食店も一緒に増えました。現在でも200軒以上のホテルや旅館があるそうです。
そういうわけですから島内の男女比率は1.2:1という女子不足の状態が続いています。