韓国の大衆洋酒の時代❷
1956年発売 そういえば横文字表記は TORYS Whisky それってトリスじゃん
名前のパクリにも独自の論理をひろげて、気まずくなるとよく似た名前に変える
ある言論が “倭色商標盗用” としながら ‘ドリス ウイスキー’ を批判するとすぐに “虚偽報道に対する民事・刑事上責任を追及すると弁護士まで選任した” として強硬対応を明らかにする広告であった。
これが1960年1月21日まで続いた10回反論広告の開始だった。
“洋酒は名称そのままに西洋で流れてきたもので模倣の服を着たとは何の言いがかりか” として真顔になる広告ものせた。
1960年1月15日、釜山国際新報は「トリスウイスキー」という名前が倭色不法商標盗用という内容の記事を出し、これに国際醸造所は、「ドリスウイスキーは、国内意匠特許商標登録を終えた正当な商標(登録商標38号)」と釜山日報に反論広告を出す。
それから15日間の商標紛争が継続された後、国際醸造所社長が拘束される事件が起きて、最終的には도리스(ドリス)ウイスキーは看板を下ろし、2月から도라지(トラジ)ウイスキーという新しいブランドで販売された。
※この辺は釜山のローカルニュースだったので残された記録はほとんど無い
見てのようにハングルが分かっても違いが分からない程度に差し替えた広告
▲1960年代の韓国のトリスバーのようす、李承晩がハワイに行った頃
韓国版のトリスウイスキー商標の古写真は現在では見かけることが無い、堂々とした商標権主張があっけなく覆されたことや、韓国最初のウイスキーという触れ込みが知れ渡っているだけに、1960年以前のウイスキーの歴史は韓国の黒歴史となっているのだ。
その後、酒税法はたびたび変わるが、ウイスキー原酒が1%でも含まれていればウイスキーであったり、年産表示をする原酒が1%でも含まれていれば樽ごと年産表示をしても良かった時代を経て、現在の韓国の洋酒市場は低迷している。
(ソウル/みそっち)
原料(色素香料酒精)までニホン産なんだから偽ウイスキーではない、という論理ですね。(実は空き瓶まで輸入しようとしていた。)
このころのウイスキー香料で大儲けした会社っていうのがいまも別の業界で残ってるそうですよ。焼酎に色素と香料を混ぜれば ”財務部長官特賞受賞” の ”最高級洋酒” が ”登録商標” なんですから、何でもアリという時代は怖いですね。