アシアナ航空が売れない
アシアナ売却が流札 あるいは捨て値で売却の可能性
アシアナ旧株評価が4000億は事実上の経営権プレミアム不認定
グループ再建のために現金が欲しい錦湖グループは流札を避けたい
これまでの流れ。錦湖(クムホ)アシアナグループがアシアナ航空の経営から手を引き、アシアナグループの持ち株の売却を進めている。今回の売却は、錦湖産業が保有したアシアナ航空の株式6868万8063株(31.0%)とアシアナ航空が新たに発行する新株を買収する方式で行われる。
今回の売却は、錦湖産業が保有したアシアナ航空の株式6868万8063株(全体の31.0%)とアシアナ航空が新たに発行する新株を買収する方式で行われる。
この入札は昨日終わったが、最高額入札者も提示した金額が公表されていない。つまり入札は行われたようだが合格発表に待ったが掛かった状態なのである。
錦湖産業は今後、最終入札書が制限条件を満たしているかどうかや、事前に設定した優先交渉対象者の選定基準による評価、国土交通部の買収適格性審査などを経て、最終的に入札者側と再度交渉しながら優先交渉対象者を選定して発表する計画だ。
優先交渉対象者の選定までは約1週間程度かかるものと予想される。 錦湖産業はできるだけ早い時期に優先交渉対象者の選定を完了し、売却を終了させたい方針だ。
しかし優先交渉対象者に選定されると、高い買収代金はもちろん、アシアナ航空の正規化のために入らなければならない天文学的レベルの金額も耐えなければならない。アシアナ航空の現金性資産は、4210億ウォン水準だが、負債規模は9兆6000億ウォンに達する。アシアナ航空が経営末期に乱発した資産担保証券(ABS)の合計規模は8891億ウォン水準で、2020年6月末までに3837億ウォンを、2021年6月末までに3250億ウォンを返済しなければならない。
その上、アシアナ航空は機体のリース費用だけで1年に2兆5000億ウォンを支払っている。航空機リースには、リース会社が航空会社に航空機を貸与する運用リースとリース会社が航空会社に資金を貸与してくれるファイナンスリースに分けられる。通常の航空会社であればこのようなリース比率は50%程度だがアシアナ航空では90%以上にも上る。
ここまでは錦湖(クムホ)アシアナグループによる自社株売買の入札というハナシだが、市場の大勢が予想する流札となった場合、債権団の持分率23%を持つ産銀の影響力がさらに大きくなる。入札が失敗になれば産業銀行など債権団が発行したアジアナ航空に緊急輸血した転換社債5000億ウォンを、年内売却が霧散した場合、債権団がアシアナ航空の持分を代わりに処理できるように約定を締結しているのだ。
錦湖(クムホ)アシアナグループはアシアナ航空の経営権を売って錦湖(クムホ)グループを立て直したいが、負債が大きく買い手がつかない、あるいは買い叩かれることになれば31%もの持ち株の対価が受け取れないということにもなりかねないわけだ。