水没アパートに半地下室は存在した
緊急検証
水没アパートに半地下室は確かに存在する
悪夢のような浸水水害から一夜明け、ようやく泥水も引いた大田市のコスモスアパートでは今日から復旧作業もはじまった。といっても、元からあるガラクタを運び出すだけの作業だが軍部隊(32師団)まで動員されて復旧作業に当たっている。
もともと低地なうえに許可を得ずに施工されたとみられる半地下の部屋からは次々と泥だらけとなったゴミが運び出されている。
14軒長屋の5階建てで知られる大田のアパートには半地下の空間が存在した。
お揃いの紫色のベストを着たボランティアが水没した半地下の部屋からバケツリレー式にガラクタを運び出している。彼らの背中には大韓イエス教長老会(だいかんイエスきょうちょうろうかい)と書かれている。この入口はE棟の手前側の入口だ。どうやらウリスト教の施設が存在したようだ。
なんという大型のテレビだろうか。薄型テレビ全盛の前は金星ブランドの家電が韓国では主流だった(現在はLG電子と呼ばれる)そのため大型家電のことをグムソン(金星)と呼ぶ古老も多い。 ちなみにLG電子はラッキーゴールドスターの略である
そしてこれが大韓イエス教長老会(だいかんイエスきょうちょうろうかい)の目印だった、半地下の部屋もその目的のために使われていたのだろう。すると左側の地下に通じそうなところからも入れるのだろうか (土嚢で封鎖されていた)
※塔屋のうえに目印を立てるというのはイエスの教えだ
半地下式住居について
非合法的に居住空間に使われることのある韓国の半地下住居は個人の所有する建物の地下にあることが多いが、このような集合住宅でも確実に半地下式住居は存在する。
もちろん入居者は誰かに家賃を支払うわけで、こうした集合式住宅の場合には直上の住人がその使用権を行使することも多い。大韓イエス教長老会を調べてみたらこのアパートE棟101号室が教会の支部になっていた)
そして半地下教団施設の片付けだけを終えるとお揃いのベストを着用したウリスト教信者たちはそれぞれに立ち去ってしまう。 もちろんこれが当然である。
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改造されたバルコニー部分の貴重な映像も入手
ベランダの手すり部分にサッシが取り付けられて屋内化している様子、この場合ベランダの雨水管は移設されない
13.7坪タイプの同じような間取り図
間口2間半、奥行5間だろうか、このアパート群には1980年代の標準型間取りタイプが背中合わせに300世帯以上もあるのがコスモスアパートなのだ。
本来バルコニーである部分(奥行きは90cmも無さそう)をサッシで覆う改造を施されたアパートの一室、この元々の壁をすべて壊して居室化するのが本来の改造だが、低予算では壁のぶち抜きが行われないこともある。もちろん水道栓があればここに洗濯機を置くこともあるが、壁をぶち抜いて床を延長すればそのまま拡張された居室となるのだ。
サッシの外側に元々の手すりが外側に残っていることがわかる。布団を干す文化が無いのでベランダの手すりをサッシにするのは常識だ。
あなたはこのような改造をしたいと思いますか?
1階ベランダ下に明かり取りの小窓が見える。ここには半地下の部屋があるのだ。つまり、前回紹介したのはこんな部屋なのである。 ※プロパンガスボンベがよく似合う
そしてお約束の体育館生活もはじまった
韓国では災害が起きれば近所の体育館があたらしい住まいになる。衣食住がすべて完備され、もちろんすべて無料だ。※実際には屋内テニスコート場だという。
韓国の体育館避難民生活が知られるようになったのは2014年のセヲル号単独転覆事故がきっかけだ。セヲル号の体育館生活者は住宅困窮者ではなかった。元々自分の住処がありながら、支援物資目当てに遺族らが集まったにすぎない。
当時のセヲル号珍島体育館生活では広い体育館の床に直接ふとんが持ち込まれていたが、その後におきた慶州地震では居住不適認定を受けた集合住宅の避難民生活者にプライバシーの観点から、個別テントが与えられるようになった。
※テントに屋根は無い、また締切ることも禁止される
この大雨で浸水被害に遭ったアパートの住民は28世帯120人余り。
28世帯で120人って多くないか? 12.86坪に4人以上だぞ
このうち約40人が、近くの体育館や青少年修練院などの臨時施設で生活する。