あの台風被害の鬱陵島に空港
鬱陵空港開港は2025年に予定
27日、鬱陵島の沙洞港付近で待望の着工式 軍用機の利用は非常時だけ
富士山の5合目みたいな海底地形なのに飛行場建設
これまで7時間以上かかっていたソウルとの移動時間を1時間台に短縮する鬱陵空港は1200メートル級滑走路で建設され50人乗り以下の小型航空機が就航することになる。
夏場の台風はもちろん、冬になれば11月からは東海の高い波の高さに鬱陵島を行き来する旅客船の欠航が特に頻繁になる。このため鬱陵島を結ぶ旅客船は年間100日ほど欠航する。 船が出なければ、鬱陵島への接近が不可能なだけでなく、鬱陵島の住民約1万人は生鮮食料品にも事欠く身になる。
▲トンネルのあった山を切り崩して滑走路の下を埋め立てる計画。
船が接舷できなくて飛行機が着陸できますか?
鬱陵空港は2013年に予備妥当性調査を終え、2015年に基本計画告示が行われた。 2017年には基本設計に続き、昨年5月には浦項~鬱陵航空路の新設及び事業費確定などの手続きを踏んだ。 いくつかの建設会社が見積もりに応じたが、昨年12月には大林産業コンソーシアムとして実施設計適格者選定後の設計を経て、7月に契約締結まで終えた。 鬱陵空港建設のためのすべての準備が完了したのだ。全体事業費は6651億ウォンだ。
鬱陵空港の滑走路、係留場、誘導路など飛行と関連した部分は国土交通部(釜山地方航空庁)が建設し、旅客ターミナル、駐車場などは韓国空港公社が建設する。このように発注主体が異なるのは韓国の縦割り縄張り意識によるもので、建設部位が多ければそれだけ建設会社からのリベートが増えるからだ。
▲高さが誇張されているが設計計画案では滑走路の高さは水面から23mで、これは最大波高の22.6mよりも高くて安心だという評価だ。(実は16mである)
空港建設は、鬱陵一周道路の移設→海上埋立→滑走路など構造物工事の順で進められる。 韓国空港公社が建設する旅客ターミナルは、空港開港に合わせて建設される。※鬱陵一周道路はこの間の台風で数か所が寸断された。
現在の鬱陵島は3~4時間ほど船に乗らなければならないが、ここを訪れる観光客の規模は内陸の観光名所に劣らない。 昨年、鬱陵島を訪れた観光客は前年(35万3617人)より3万2884人(9%)増えた38万6501人に達した。
慶尚北道地域では「空港が開港すれば鬱陵島が小さな済州島になる」という話が早くから出ている。 鬱陵空港が開港すれば、鬱陵島の秘境や特有の地質遺産などを見物しようとする観光客が全国から押し寄せる可能性を目論んでいるためだ。
ということで鬱陵空港ですね。埋め立てに使う地山はもろくて埋め立て用にさえ不適なんですが、技術的必要強度を下げることで現地で埋め立て材の調達を可能にしています。そして台風が来れば十分に波の浸食を受けるので、完成後が今から楽しみです。
台風15号「被害額500億を超え」特別災難地域を優先宣布
2020-09-10
今年9月、2つの台風が連続して鬱陵島を通過し、瞬間最大秒速32.5メートル、最大波高19.5メートルを記録し、気象観測開始以来最も高い波高が発生した。
これにより、海岸の住宅が破損したり浸水し、独島を往来する旅客船ドルフィン号や漁船などが沈没するなど大きな被害が出た。
鬱陵郡の主要物流を担当する鬱陵(サドン)港の防波堤が220メートルほど流失し、南陽(ナムヤン)港の防波堤も50メートル流失した。
▲これが現場近くの鬱陵一周道路のようす。10月末時点でまだ撤去されていないらしい
鬱陵住民の主要インフラである鬱陵一周道路は14カ所で2キロほど破損した。
防波堤に使われる消波ブロックが海水に押し流され、一周道路のトンネルの中まで入ることまで起きた。