ヌリ号の発射延期、来年10月までには次の延期のお知らせ考えます
ヌリ号発射延期はギジュチュ不足なのか
航空宇宙研究院院長は暴行で解任されて責任者が不在ってどうなの?
協力企業は次々と脱落、肝心なギジュチュ移転は無かった
[午後のミーナ]韓国科学ギジュチュ情報通信部(科技忍者隊)は29日、第18回国家ウチュ委員会を開き、来年2月と10月の2度予定されたヌリ号の打ち上げ日程を、来年10月と2022年5月にそれぞれ調整すると明らかにした。 ヌリ号は地球低軌道(600~800キロ)に1.5トン級の実用衛星を打ち上げられる3段型発射体で、国内技術で製作中だった。
※ヌリ号計画は低軌道1.5t級衛星を打ち上げる韓国型発射体計画のこと
打ち上げ日程を延期したのには、計3段で構成される発射体の最下段の1段部の組み立てが予想より複雑だったためだ。 ムリ号は75トンエンジン4基が一つになって(クラスタリング)300トン級の推力を出す1段部、75トンエンジン1基の2段部、7トンエンジン1基の3段部からなっている。 このうち1段部は、国内の協力会社が開発を請け負ったが、開発が遅延すると再公告で新しい企業を探している段階だ。
▲1段目実物大モックアップが燃焼実験棟に運ばれている様子。まだ点火したことは無い
韓国のウチュ開発計画の遅延は今回が初めてではない。昨年末、韓国政府は来年12月に予定された月探査軌道船の打ち上げ日程を22年7月に19ヵ月延期すると発表したばかりだ。 月軌道船は、朴槿恵(パク・クンヘ)政府時代、2017年発射する計画だったが、性急な政府の意向と実際の技術進展が整っておらず、2018年に延期されており、以後、文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って2020年12月を目標に開発の日程を再調整したが、これさえも予想より軌道船の目標重量が大きく増大し、さらに19ヵ月以上も遅らせて進めることに決定された。
※韓国型月軌道船計画はスペースX社のロケットで打ち上げられる
韓国の宇宙開発計画の遅延はギジュチュ的な遅延問題だけではない。先月30日、科技部は去る10月の国政監査を経て、航空宇宙研究院イム院長が前年の酒席で韓国型発射体本部の研究者につまみを投げつけたり、胸を殴ったりするなどの暴言・暴行を加えたとして、オンライン国民参加ポータルに受け付けられた事案について特別監査を行い、「職務清廉義務違反」として解任通知した。
飲み会で研究者がイム院長に「機関経営を頑張れ」などと暴言し、イム院長は研究者とつかみ合いの争いを繰り広げたという。つまり計画の途中で責任者が暴れて解任されたのだ。
こうした宇宙開発の混乱や遅れから、宇宙先進国の多くが韓国をパートナーとして認めていないことも宇宙開発には欠かせないギジュチュ移転が受けられない要因のひとつに挙げられている。
科技部と航宇研は、延期された発射計画に、1回目の打ち上げ結果と関係なく2回目の打ち上げも推進するという計画だ。 このため、1回目の打ち上げは8ヵ月延期された2021年10月、2回目の打ち上げは7ヵ月延期された22年5月だ。 2回目の打ち上げ時期は、第20代大統領選挙ともかみ合う見通しだ。
(ソウル/みそっち)
これわね、暴れちゃう航空宇宙研究院院長の話題が知られたころから発射延期は既成事実のようにサブタイトルになっていたんですが、はやぶさ2の成功の感動と対照的な韓国側の不祥事ってことで大きく取り上げられなかったのです。そして、このタイミングでヌリ号の発射延期が発表されたというわけです。 そいうことよく考えるよね。