南進トンネルのハナシ - minaQのつぶやき 네토미나

不思議な南進用トンネルのハナシ

もう南進トンネルは発見されない理由とは
トンネルを発見すれば師団にお金が流れた1970年代

2014年、ソウルなどを中心に原因不明不明の地盤沈下が多発した、いわゆるシンクホール多発事件だが、この時に待ってましたとばかりに韓国右派の論客が、「これが北朝鮮による南進用トンネルだ」という主張が繰り返し出てきたことがある。最近、韓国でシンクホールが話題にならないのは地下鉄延伸工事が一段落したことで実際にシンクホールが発生しないためである。※韓国では最初から地下鉄工事との因果関係は無かったとされている。

現在、大韓民国国防部が南侵用トンネルと認める場所は4ヵ所あり、発見された順に1～4の番号が付いている。このうち1974年に内部を捜索中に小さな爆発があり死者が出ている第1トンネルだけが一般公開されていない。

1974年11月5日の第1トンネル発見当時、このトンネルを重大休戦協定違反として国連送付など韓国政府は大騒ぎしようとしたが、当時の韓国は停戦協定締結国ではなく、また国連加盟国でもなかったことから、外見上は停戦監視団や在韓米軍によるトンネル探索が連日行われた。

韓国軍の厳重な封鎖が行われてトンネル発見から15日目の11月20日、何度目か分からないトンネル探訪中に、案内の韓国陸軍·海兵隊2人とアメリカ陸軍·海軍6人の8人で編成された共同捜索隊がトンネルの構造と諸元を精密に見学するためにトンネル内で捜索作戦を展開していたところ、軍事境界線南側の韓国側300m地点で、何者かが埋設したとされるブービートラップに触れて爆発事故が起きた。この爆発でトンネル内見学作業中だった大韓民国海兵隊のキム·ハクチョル少佐と国連軍司令部停戦課の所属だった米海軍将校ロバート·マックイーン·ベリンジャー(Robert MacQueen Ballinger)中佐が殉職し、米陸軍5人と韓国陸軍1人の計6人が負傷した。
※米海軍将校が見物に現れるような新名所っぷり

掘った土砂すら韓国側で見つかる自演

これまでに発見されたとされるトンネルは全部でわずか4箇所、1974年11月15日、京畿道漣川で最初に発見された"第一トンネル"は、暗渠工事程度の地表に溝を掘りフタをしただけの偵察用塹壕であり、大半が埋まっていて朝鮮戦争当時の塹壕の跡である証拠も出てきている。

※第一トンネルの資料写真では違うところの鉱山で撮られた写真を引用することが多い

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　※第一トンネル資料館で並べられている写真、　これでもトンネルだ
　　

国境付近で繰り広げられた南進トンネル誘致作戦

停戦地帯を警備する現地師団の管轄する地域で南進トンネルが発見されると上層部の関心がそちらに向くことになる。トンネルが発見されれば恒久的施設の建設などで大掛かりな資金が投入される。その結果、付帯する施設（監視所の増設や管理施設の建設など）の建設などで予算が計上されると、そのうちの数％が現地部隊の自由になる資金に充当されるという。そのため、管轄する地域で南進トンネルの兆候が発見されるだけでもいくばくかの恩恵があり、これを見越して自軍で極秘裏にトンネルを掘りあたかも発見したかのような手柄を受けさらにトンネル維持の予算を受けることは現地師団には願ったりなのだということだ。　　

1990年代になって再公開された第一トンネルは"共同警備地帯の韓国側"にあり警備ラインと平行して構築されていることが知られた。

※トンネルとよばれる塹壕は戦時下韓国側から掘り進められた塹壕であるという調査結果が出ている。

1975年3月に江原道鉄原郡近東の第2トンネル、1978年6月、京畿道坡州第3トンネルは、軍の報告によって明らかになった。第3トンネルは板門店から南に4km離れた場所にあり、板門店観光コースに入っている。

※第2トンネル第3トンネルはともに"韓国側だけに出入り口があり未完成の状態で放置されていたもの"という公式調査にもあるように、"韓国側が調査目的で掘ったもの"だとする意見も出てきている。　　また掘った土砂が韓国側で発見されている。

1974年ごろというのは韓国軍がアメリカから武器をたくさん買うことにした時期だった。当然のように危機感を煽る必要があったのでトンネルの中で小規模な爆発を起こそうとした可能性が提議されたこともあり、運悪く死傷者が出たが、突き当りの埋まった使われていないトンネルに向けて銃撃してみたりして南進トンネルの危機を盛んに煽ったわけだ。

現在では第2第3第4のトンネルは散々観光地化されたあげくに最近の観光ルートから外れ見学には事前の予約が必要となっている。

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1998年には、南侵用トンネルの兆候がある21ヵ所のうち、蓋然性の高い7ヵ所（西部戦線5ヵ所、東部戦線2ヵ所）に対してボーリング作業を行ったことがある。しかし、追加のトンネルは発見できず、00年以降、北朝鮮亡命者から韓国侵攻用のトンネルに対する22件の情報を入手し、14ヵ所に対する探査作業を行ったが、この時もトンネルを発見できなかった。

これでも、国防部は公式的に北朝鮮の対南トンネルが当然さらに存在すると考えている。2009年から2013年まで4~5回トンネル探査作業を行ったが、やはり確認できなかった。軍は毎年春、秋を中心に前方地域に対するトンネル捜索作業を続けている。夏は猛暑とマラリアの恐れがあり、冬は酷寒期なので除外されている。

すでに発見されたトンネルを隠蔽したり数十個の長距離トンネルが存在するという主張は根拠がないと見ているが、最前線地域に掘ったトンネルは数個以上あると見ているということだ。

トンネルを発見するのが難しい理由は、北朝鮮が1970年代にトンネルを掘っており、探査作業に対応して埋め立てなど歴代策を試みるためだという。#