九龍村火災現場に焼け残ったのは練炭の山
火事だったのに全く焼けずにのこった大量の練炭
住民たちが貯め込んだ練炭は推定で3年分以上
[ソウルミーナ]ひときわ寒さも激しくなった先月20日、ソウル江南区に位置する九龍村で、原因不明の火災が発生した。この火災でビニールや合板で出来た住宅約60軒を含め計2700㎡が焼失し、住民約500人が避難した。
あいにく人命被害はないものと把握された。
江南区の汚点である九龍村は1988年ソウルオリンピックを準備しながら都市美観を害するという理由で政府が開浦洞一帯の無許可住宅を撤去した際に移住民らが形成した村だ。 現在、九龍村1~8地区に居住する世帯は559世帯も残っている。
住居地の大部分はビニールと木の板を重ねて作った臨時仮建物だ。 あちこちに電気を引いて使う老朽電線が絡み合っており、練炭とLPGガスボンベが屋外に放置されているため、住民たちも普段から火災に極度に気をつけていたという。
住宅の大多数が違法建築を承知で合板やサンドイッチパネルなど可燃性素材で作ったうえに、無法建築で家と家の間の空間も大人一人やっと通れるほど細かいせいで火災が絶えず、これまでにも度々火災が起きてきた。
しかし、無許可建築物であるため、火災で被った被害を訴えるところもなく、自己責任の概念を持たない韓国人には怒りも持って行き場も無いため、自治体などに整備責任を問うことも難しい実情だ。
昨日午後、九龍村の火災跡地には焼けずにそのままの形を残した練炭が積まれたままの状態で雨と放水で濡れて放置されていた。こうして住民らが貯め込んだ練炭は推定で居住者の全世帯が毎日使っても3~5年はゆうゆう使えると見込まれた。
火災消火翌日の撮影なのに、手前には積まれたままの練炭が全く焼けずに残っているのが見える。難燃性の練炭の建材としての能力には驚くしかない。
焼けずに残された練炭は消火の放水を浴びてそのままでは使えない状況だという。
石炭の産地なのに生木を使うしかなかった
練炭はニホン統治時代に半島で新たに使われるようになり、それまで生木を燃やすしかなかった朝鮮人には半島産の石炭を加工した黒いダイヤと重宝されてきた。
近年になり国内の炭鉱が次々と閉山すると国内市場では、代用練炭と呼ばれる可燃性固体(木屑など)をコールタールで固めたものが広く流通する。※木屑には合板の加工屑が多く使われるが有害な接着剤成分のため危険性が指摘されると、代用練炭という表現を使えなくしたため被害報告は出ていないという。
およそ、合板製だった建物はすっかり焼け落ちたが、道路の形と鍋釜が散乱する火事場には建物内に保管されていた大量の練炭がそのままの形を残したまま残している。
韓国の練炭は少し大きい
韓国で作られる国策練炭はニホンでの5号に相当し、高さ15㎝が通常9~12時間燃焼する。空気口を閉じれば24時間以上も燃焼が可能だが一酸化炭素中毒の危険性が高まる。※ニホンでは一回り小さな4号が一般家庭用で使われる
現在でも練炭は韓国では広く使われ、ソウル市内にも100万以上の練炭を使用する世帯が残っている。以前は良質だとされた韓国産の練炭だが1990年代に国内採炭が枯渇すると、混用燃料の規格にあわせた可燃物とコールタールを練ったものが普及している。このため最近の練炭は燃え残りの灰が多く着火性が悪い低品質なものとなっている。
長く続いた現場検証も、放火の証拠が確保されないためとりあえずは原因不明の出火と結論付けることになりそうだ。
住人の立ち退きをもとめる民間の開発会社と、公的機関からの土地転用補償金が欲しい住民との対立から双方が火を付け合い、その都度話題になってきた九龍地区だが、現在のところ再開発計画は凍結された状態だ。しかし住民側のお涙頂戴が成功して生活支援団体の施設もいくつか存在している。※お金を受けたい住民側にとって生活支援団体の支援が迷惑だという。
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このほかに、立ち退き料が貰えそうだと目論んだ新住民などが多くここに住居を写している。しかし、転入届けは受理されず、宅地として住民登録出来ないことでいわゆる「幽霊住民」の居住民という扱いとなっている。 ※学区上の小学校(江南区立のイイ小学校)に転入して居住の事実を認めさせる活動も起きている
昨日の空撮では、右側部分が良く焼けているが、所々に見える黒い塊がそのまま燃えなかった練炭だ、風向きの関係から左側のビニールテント式住宅が焼け残っている
火災前の九龍村のようす
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身の丈よりも高く備蓄された練炭
ソウルでは生活困窮者のために『愛の助け合い運動』がある。しかし、昨今の新コロ19の影響からキムチが敬遠されると次に、ここ数年豊作が続いた韓国米のうち古米古古米が世帯ごとに10~20㎏袋で運び込まれた。しかしさすがの韓国米では生活脆弱層の高齢者は目が弱り、虫もゴミも区別できない。そのため様々な虫たちが蠢く古米古古米に根を上げるお年寄りも出たという